
焼餃子 2020年双葉社
1944年、首相暗殺に失敗した陸軍中尉のグンゾーは瀕死の状態で朝鮮に流され、死の淵で神秘的な食べ物と出会う。
未体験の滋味と幸福感――それは「焼餃子」だった。覚醒したグンゾーはかくして人々に幸せをもたらす「究極の餃子」を探す旅に出ることに。朝鮮のマンドゥ、モンゴルのボーズ、ソ連のペリメニ……様々な餃子と出会い、仲間も増えていく。
前代未聞の熱々エンタテイメント、餃子をめぐる究極の大河ロマン小説!

横浜大戦争 明治編 2019年文藝春秋
花見に興じる土地神たちの元に怪しい男から届けられた木箱。その中に入っていたのは、中心がかすかに紫色をした黒い水晶玉だった。訝しむ神々たちの不安は見事に的中し、その水晶玉は黒い光を放ちながら濃い影を生み出していた。中の神、西の神、保土ヶ谷の神はその影に飲み込まれ、なんと明治時代の横浜に飛ばされてしまう。
戸惑う神々の前に現れた商家の少女・茂原れんげ。なぜか力を発揮できなくなる土地神たちの神器、明治の横浜で暗躍する謎の犯罪集団……。土地神たちが現代へ帰る方法を探る最中、れんげが誘拐される事件が発生し、土地神は奪還に乗り出す。
横浜大戦争シリーズ第二弾。

バビロンの階段 2018年文藝春秋
目が覚めると、夕方の16時23分。外は雨が降っている。大学を中退して、仕送りもなく、2年近く続いた居酒屋のバイトもやめた。携帯も壊れた。ただひとり付き合っていた人妻ともケンカした。アパートの部屋を飛び出した僕は、なんとなく訪れた新宿の古びたバーで、かつて天才児として名を馳せていた親友の「サクマ」と再会して、ひさしぶりにビールを飲んだ。そのときには、すでに、貨物列車に轢かれて死んでしまっていたはずのサクマと……。

横浜大戦争 2017年文藝春秋
第4回神奈川本大賞受賞作
ランドマークタワーの六十八階で、横浜の大神が「横浜大戦争」の幕開けを宣言。大洋ホエールズのユニフォームを着ている保土ケ谷の神を主人公に、戸塚・泉・栄の三姉妹、それぞれ身勝手な鶴見や金沢や港南、港北・緑・青葉・都筑の擬似家族、横浜中心部を司る中・西の姉弟などが、横浜の“中心”を決めるべく、くんずほぐれつの戦いを繰りひろげる。舞台は旧ドリームランド、山下埠頭、こどもの国などに展開し、驚くべき結末が待っている…。

待ってよ 2016年文藝春秋
第23回松本清張賞受賞作
心に傷を負ったマジシャン・ベリーが、興業でやってきたのは時がさかしまに流れる街だった。人の生き死にや価値観まで、ありとあらゆるものが異なる街で、ベリーは子育てをするこうこと出会い、人生の歯車が大きく回り出す...。