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ハチスカサロン

第一回ゲスト 小説家・額賀澪さん

額賀 澪(ぬかが・みお)

1990年10月16日生まれ 茨城県行方市出身

2015年『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞受賞。同年『ウインドノーツ』(単行本改題『屋上のウインドノーツ』)で第22回松本清張賞受賞。他の作品は『タスキメシ』『さよならクリームソーダ』『君はレフティ』『潮風エスケープ』『ウズタマ』『完パケ!』『猫と狸と恋する歌舞伎町』『イシイカナコが笑うなら』『小説 空の青さを知る人よ』『競歩王』『できない男』『風に恋う』ルポ『背景、本が売れません』など。

最新作は『沖晴くんの涙を殺して』。

Web:https://nukaga-mio.work/

Twitter:NUKAGA_Mio

Instagram:nukaga_mio

文・構成 蜂須賀敬明

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 今回、新しく始まった『ハチスカサロン』の記念すべき第1回目のお客様は小説家の額賀澪さん。額賀さんは、僕の1年先輩の松本清張賞受賞者であり、最新作『沖晴くんの涙を殺して』(双葉社)の発売日と拙著『焼餃子』(双葉社)の発売日が1ヶ月違いだったこと、僕と額賀さんの担当編集者が同じだったこと、2人の誕生日が1日違いだったことなど、様々な共通点が発覚し、今回の対談が行われることになりました。

 額賀さんは『沖晴くんの涙を殺して』で伝えたかったことや、東日本大震災について、震災後の文学について、小説家としてどうありたいかなど、たくさんの興味深い、そして示唆に富んだ話をしてくださいました。

――本を読み始めたきっかけは?

 

額賀澪さん(以下額賀) 私が小学校3年生のときの『ハリー・ポッター』でした。その頃、蜂須賀さんは四年生?

 

蜂須賀 いや、僕は額賀さんの3つ上です。

 

額賀 え? 1つ上じゃなかったでしたっけ?

 

蜂須賀 ……もうおじさんなんです(笑)。

 

額賀 てっきり1つ違いだと思っていました(笑)。なんでか分からないんですけど、図書室にあって読んだんですよね。

 

蜂須賀 それは映画が始まる前ですよね?

 

額賀 そうです。

 

蜂須賀 かなり初期の読者だったんですね。小さい頃から本を読んでたんですか?

 

額賀 それが全然で。幼稚園の図書コーナーにあった絵本は1冊も借りずに小学生になりました。

 

蜂須賀 よくあんな分厚いのをいきなり読もうと思いましたね。

 

額賀 あんなごんぶとなものをね(笑)。

 

蜂須賀 ごんぶと(笑)。

 

額賀 ただあの厚さから読書を始めたので長編を読む体力が身についたんですよね。それからは図書室にあった他の本も読めるようになって。

 

蜂須賀 基礎体力がついたわけだ。

 

額賀 初マラソンで60キロ走っちゃったから、後で楽になるみたいな。よく手に取ったなと今になって思いますけどね。4年生の頃にはもう小説を書き始めていました。

 

蜂須賀 早いなあ! なんで書こうと?

 

額賀 それははっきり覚えていて。金曜ロードショーでジブリ作品の『耳をすませば』をやっていたんです。主人公の女の子がすごく本を読んでいたんですね。ラスト、小説を書くじゃないですか? それを見て、あ、自分も小説を書いていいんだ、って思うようになったんですよね。

 

蜂須賀 書いた作品は友達に見てもらったり?

 

額賀 そうですそうです。中学生の時なんかはずっとそんな感じで。書いているうちに、自然と投稿するようにもなって。使い慣れないワードを覚えて行数を整えたりとか……。

 

――どの文学賞に送ったことがある?

 

額賀 蜂須賀さんは、清張賞の前にどこか送っていたんですか?

 

蜂須賀 太宰治賞とか新潮新人賞に送ってましたね。

 

額賀 純文学の?

 

蜂須賀 そう。どこに送ったらいいかよく分からなくて。で、1回別の賞の出版社から電話があったんですよ。

 

額賀 ほう!

 

蜂須賀 受賞はできなかったけど編集担当を付けて書いてみないかって。でも断っちゃったんです。

 

額賀 あら、なんで?

 

蜂須賀 なんかヤで(笑)。

 

額賀 なんかヤで(笑)。

 

蜂須賀 電話してきてくださった方はすごく丁寧だったんです。その時は嬉しかったですよ。ホントに読んでくれてたんだと思って。で、少し考えさせてくださいって時間をいただいてから、折り返しの電話をかけたんですね。そうしたら別の方が出て、その時に、「ああん?」 みたいな態度取られたんですよ。それでカチンときちゃって(笑)。

 

額賀 ああんって誰が言ったのか気になりますね(笑)。でも電話来てたってことは、拾い上げてデビューさせようという感じだったんですかね。

 

蜂須賀 どうでしょうね。まあそれは半分冗談みたいなもので、やっぱり自分の力で賞はとっておきたいなという気持ちはありましたから、色々考えた結果お断りしたんですけどね。

 

額賀 電話かあ……。

 

蜂須賀 たぶんですけど、編集部でそういう風に連絡をする著者が多かったと思うんですよ。目をかけていた小説家の卵からの電話がよくかかってくる感じで。きっと、またかっていう気持ちで電話を取っちゃったんだと思いますよ。

 

額賀 この話面白いなあ(笑)。

 

蜂須賀 なんやかんやで、結構迷いましたけどね……。

 

額賀 昔の話ですけど、私もとある賞に送ってダメだったことがあって、後から聞いてみると今知り合いの作家さんも同じ賞に応募していたみたいで。

 

蜂須賀 おお!

 

額賀 前に送ったときの受賞作が『○○』で、って話を聞いたら、あ、それ私が送ったときのやつだ、みたいな(笑)。

 

蜂須賀 実は戦っていたと(笑)。やっぱりみんな色々出してるんですよね。

 

――『沖晴くんの涙を殺して』にまつわる話

 

蜂須賀 というわけで、今回は額賀さんの『沖晴くんの涙を殺して』の発売日と『焼餃子』の発売日が1ヶ月違いだったこと、担当編集者が同じだったこと、額賀さんがツイッターで『焼餃子』をプッシュしてくださったこと、そしてなんと僕らの誕生日が1日違いということも判明し……。

 

額賀 え? 私、10月16日ですけど。

 

蜂須賀 僕、17日なんです(笑)。

 

額賀 えー! 祝えばよかった(笑)。

 

蜂須賀 清張賞の授賞式でお話しする機会はあったのですが、今回こうやって向き合ってお話しするのは初めてなのでとても楽しみにしてきました。『沖晴くんの涙を殺して』、読ませていただきました。感情を死神に奪われた少年・沖晴くんが、余命1年を宣告された京香と出会い、感情を取り戻していくというお話。いいなと思ったのが、取り戻していく感情がネガティヴなものというところです。感情を取り戻すっていうと、ポジティヴなものになりがちじゃないですか。少し違うけど、感情表現が分からなかった『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイがこんな時どんな顔をしたらいいか分からない、ってなったときに、シンジくんが笑えばいいと思うよ、っていうのはポジティヴな例だけど、本作はそれが逆なのが面白い。沖晴くんは作中で結構辛い思いをするわけなんだけれども、忌避したくなる感情が戻ってくるさまが人間らしくてどこかほっとする。応援したくなるんですよね。本作を生み出すに当たって、負の感情をテーマにしようという思いがあったんですか?

 

額賀 当初のプランとは違ったんですよね。感情が云々、っていうのはなくて。

 

蜂須賀 ええ! そうなんだ。

 

額賀 架空の街という舞台設定は変わらないんですが、高校生の女の子が引っ越しをしてきて入学したら奇妙な先輩と出会う感じで。

 

蜂須賀 その時点で全然違う!(笑)。

 

額賀 その先輩は自称人魚なんです。で、主人公はその先輩が普通の人間とは違うことに気付いていくんですよね。

 

蜂須賀 その辺りの設定は、沖晴くんが特殊な力を持っているという点につながってくる部分もあるのかな。

 

額賀 そうですね。でも徐々にその先輩は人魚ではなくて、津波が訪れる前に現れる妖怪のような不可思議な存在だと気付いていって……みたいな流れの予定でした。ただ、津波をテーマにこれを書くのはどうなんだろうっていう悩みがあって、それが連載スタート前の3年くらい前ですかね。

 

蜂須賀 結構前になるんですね。

 

額賀 そうなんです。それから担当や編集長を交えて議論を重ねていくうちに、津波を呼ぶのではなく、津波で感情を失った主人公というテーマはどうなんだろうと変わっていきました。感情がテーマとなって色々と調べていくうちに、心理学のプルチックの感情の輪というものにたどり着いたんですね。人間の感情を色で分けていって、それぞれに『喜び』とか『怒り』とか『嫌悪』がお花みたいな図形に分類されているんです。このベースとなる人間の5大感情を取り戻していこうとなったんですが、これで見ると人間の感情って喜び以外はネガティヴなものが多いことに気付いたんですよね。となると、失った感情をネガティヴにしてみてはどうだろうとなっていったんです。

 

蜂須賀 だから沖晴くんは最初『喜び』しかなかったわけですね。それにしても、『喜び』しかない状況っていうのは良さそうに見えて全然良くないですよね。辛かったり痛かったりしても、あいつは笑ってるから大丈夫だって思われてしまう。これはかなりキツイ。

 

額賀 キツイです。連載することは決まっていたので、1話で1つずつ感情を取り戻していこうという流れになりました。半年の予定だったので、逆算して配分すればわかりやすくなるんじゃないかと思いましたね。そこまで決まったらあとはポンポンと進んでいきました。

 

蜂須賀 企画当初は大変だったけれど、方向性が定まっていってからはスムーズに。

 

額賀 これ、プロットめちゃめちゃ短かったんです。冒頭の部分がちょっとしかなくて。連載が始まってからは大変でした(笑)。

 

蜂須賀 それであれだけナチュラルな動きを描けるんですから、恐ろしい(笑)。

 

――阪神淡路大震災の記憶がない

蜂須賀 そして、やはりもう1つ大きなテーマとなるのが東日本大震災。来年で10年が経つわけですが、あれから震災をテーマとした作品がフィクション・ノンフィクション問わずたくさん発表された中で、個人的にはあの天災を象徴するような作品がまだ生まれていないという感覚があったんです。でも、それは僕の求め方がいけないのかなと思うようになって、戦争やテロリズムは原因や責任を人間や政治に求める部分があるけれど、天災は自然相手だからそうもいかない。きっと、戦争や人災を表現するための大きな物語みたいなものを、天災で求めようとするのが違うんじゃないかなってことを、この作品を見て感じたんですよね。

 

額賀 ああ、なるほど。そうも考えられますね。

 

蜂須賀 この作品は、あくまで被災した沖晴くんの物語に焦点を合わせている。きっと、天災を受け入れるための物語というのは、戦争のような大きな物語ではなくて、個人の小さな物語を集積していくような形の方がいいんじゃないのか、って思ったんです。だから、この物語を読んで、震災をテーマにしたこれまでの作品から感じていたフラストレーションがなく、もやもやが少しだけ腑に落ちていきました。

 

額賀 なんで震災を扱おうと思ったかというと、私を含む90年代生まれの人間にとって、東日本大震災っていうのは、最も大きな共通体験だと思うんです。というのも、私、阪神淡路大震災の時の記憶が一切ないんです。まだ小さかったので。

 

蜂須賀 額賀さんが5歳くらいの頃ですか。

 

額賀 あの頃の地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災、酒鬼薔薇聖斗事件をテレビで見た覚えが全然なくて。

 

蜂須賀 僕はリアルタイムで経験していますが、確かにあれだけ社会に影響を与えた事件を、周りが知っている中で、記憶がないとなるとそれもキツイですよね。

 

額賀 物心付いてはじめて経験した大きな共通体験が、東日本大震災だったからこそ、書いてみたいという思いがありました。

 

蜂須賀 そういう側面での喪失感というものあるわけですね。

 

額賀 震災後文学というジャンルって、フェイズが2つあると思うんです。フェイズ1は実際にあの日、人はどういう風に動いていたとか、家族やものや場所を失った人がいたんだよというものが書かれたもので。

 

蜂須賀 ルポルタージュ的な側面も持つ作品というか。

 

額賀 フェイズ1が終わって2が始まるというよりは、フェイズ1的な作品がわーっと出てから、フェイズ2の作品も出てくる感じで。

 

蜂須賀 平行して生み出されていく感じだ。

 

額賀 で、フェイズ2的な作品がどういうものかというと、直接的に震災を扱っているというわけではないんだけれど、震災の経験が物語の一部に含まれているというタイプのもの。これってたぶん、震災直後は生まれないと思うんです。時間が経つにつれて震災の経験が共有化されていって、震災をオマージュした作品になったり、登場人物が震災を経験していたりという表現になったりしていくのかなと。

 

蜂須賀 それでいうと村上春樹の『神の子どもたちはみな踊る』なんかは、フェイズ2的なアプローチの作品と言えますよね。

 

額賀 まさしくそうです。私からすると、フェイズ2が始まったなと象徴する作品があって。2016年だったんですが、こういうのってやっぱり映画から始まるんだなと思って。

 

蜂須賀 その作品とは?

 

額賀 『シン・ゴジラ』です。

 

蜂須賀 (大きくうなずいて)分かる。

 

額賀 あれはもちろんゴジラがやってくる話ではあるのですが、明らかに東日本大震災のオマージュというか、背景にあの経験が見えてきますよね。『君の名は』もそういう側面があったと思います。それなら、小説におけるフェイズ2の作品って何があるんだろう、まだ出てこないのかなと思っていたら2017年に今村昌弘さんの『屍人荘の殺人』が発表されたんです。ネタバレを避けるためにぼかしますが、パニックになる感じや、生死の境目がはっきりしてしまう点など、あの体験を経たからこそ生まれる描写にフェイズ2の到来を感じたんです。ミステリーという舞台でフェイズ2的なものを感じさせることに驚きました。震災から6、7年経ってこういう作品が出てくるんだと思って、私も書きたい気持ちが強くなりました。

 

蜂須賀 『沖晴くん』に至るまでには『シン・ゴジラ』や『屍人荘の殺人』を経由してきたわけですね。

 

額賀 震災を文学で扱う場合、どうしてもフェイズ1的なアプローチが多いと思うんです。震災そのものをテーマに、大きく扱うものだと捉えがちだけれど、その後人間が震災をどう咀嚼してエンターテインメントの作品に落とし込んできたのかというのも、震災後文学の姿だと思うんですよね。

 

蜂須賀 その通りだと思います。

 

――青春はむずかしい

 

蜂須賀 『沖晴くん』もそうですが、額賀さんはこれまで様々な形の青春を書いてこられました。青春は、何も若者だけに限った話ではなくて、社会人や年を重ねても存在するものだと僕は思っていて、額賀さんがこれからどういう形の青春を切り取っていくのかが気になります。

 

額賀 青春ものってむずかしいですよね。

 

蜂須賀 青春ものとひとくくりにされるのもちょっと……という思いがありますか?

 

額賀 私の勝手な考えですが、青春小説(とされるもの)を書いている作家さんが、帯に青春○○みたいなキャッチコピーを書かれるのって嫌だと思うんですよ。青春って、すごい使いやすい言葉だから、高校生が主人公になった時点で、青春って使うと座りがいいじゃないですか。

 

蜂須賀 便利に使えすぎてしまうと言いますかね。でも、青春はそう簡単にまとめられるようなものでもないという。

 

額賀 青春ってあくまで期間を表す一要素だと思うから、いざ青春小説の冠を付けられて自分の作品を振り返るとホントにそうかあ? って思うこともあります(笑)。ただ、10代・20代の青春小説を手に取ってくれる読者が何かしらいいなと感じてもらえればと思って書いているし、いわゆる青春を過ぎた読者の方が読んでも、何か思い返すものがあればいいなと思っています。

 

蜂須賀 僕は、これまでずっとジャンルわけができない小説家としてここまで来ているんですが。

 

額賀 ホントそうですよね。

 

蜂須賀 まあでもジャンルって自分で決めるものではないじゃないですか。周りが決めていくものというか。だから例えば、「ミステリーの権威!」 と呼ばれるような小説家でも、いや、それ以外もあるんだけどな……って感じていることもあるんだろうなって。ただ、お客さんに届けるためのキャッチコピーというのはどうしても必要だろうから、やむを得ない部分もあるというか。ともあれ、青春という武器があるのはすごいことだと思います。

 

額賀 デビューして、青春小説というコピーを付けてもらえたのはすごいよかったと思います。あるとき、他の作家さんから言われたんです。デビュー直後に付けられたコピーが5年目とかその辺りで……煩わしくなるときが来るよって(笑)。

 

蜂須賀 今ちょうどそういう時期が来ていると(笑)。僕からすると額賀さんにおける青春というのは一要素であって、本質的には社会をしっかり捉えて、世の中と折り合いを付けるために小説という装置を使って物語を作っている人だと考えています。

 

額賀 そう言っていただけると嬉しいです。

 

蜂須賀 青春を大切にしていることは全く悪いことじゃないですしね。

 

額賀 出版業界が青春小説を読むのはこの辺りの年齢だろう、と想定している時期に私はすごく本を読んできたんですよね。本を読んでてよかったと思う時期があったので、私もそこに向けた話を書きたいと思うようになりましたね。

 

蜂須賀 当時の自分が読みたいと思わせるような作品といいますか。

 

額賀 読みますかね? 当時の私。

 

蜂須賀 読ませましょう(笑)。

 

額賀 学校の図書室に入れられる作家でありたいですね。学校の図書室、街の図書館の司書の方が、この本なら子どもたちに読ませたいと思われる作家といいますか。図書館に置かれるということは、司書の先生からの信頼の証だと思うから。

 

蜂須賀 なるほど。

 

額賀 私にとってもそういう作家さんが小・中・高といました。

 

蜂須賀 よく額賀さんが名前を挙げられる重松清さんとか?

 

額賀 そうです。重松さんは、どこの学校の図書室に行ってもありますからね。重松さんの作品は、司書の先生たちが読ませたいと思わせているということです。それに、重松さんの作品は試験にもすごい出るから。

 

蜂須賀 そういう理由もあるのか(笑)。

 

額賀 私、あんまり学校好きな子じゃなかったので。

 

蜂須賀 僕もそうです。

 

額賀 でも学校の図書館っていうのは、重松さんや私の好きな作家さんの本を置いてある場所だから、彼らを置く度量があるのならちょびっとだけ学校を信じてやってもいいだろう。重松さんに免じて、みたいな(笑)。

 

蜂須賀 重松さんを置くのなら、行ってやってもいいだろうみたいな(笑)。

 

額賀 そうです(笑)。そういう風に思われる作家でありたいな、って思いますね。

 

 額賀さんとの対談は約四時間に及び、お料理について、大学選びについて、社会人時代について、ここに書けなかったものも含めて、非常に興味深い話が続きました。

 僕が初めて額賀さんに出会ってからずっと変わらない印象はただ一つ。エネルギッシュであるということ。額賀さんが創作の裏でどういうことを考えて、世の中をどう認識しているのかという話を聞くだけで、こちらの意欲も刺激されました。僕と額賀さんは書く小説の種類は違っていても、小説家としていろんな思いがあることを共有できたことは素晴らしい経験になりました。これからも、互いがいい刺激になる関係でありたいと思います。

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沖晴くんの涙を殺して

額賀 澪


出版社:双葉社
仕様:四六判 320ページ
刊行日: 2020年09月17日
ISBN:978-4575243277
価格:本体1,500円+税

今回の対談は​東京都大田区梅屋敷駅にある喫茶店、

仙六屋さんの一角をお借りして行いました。

老舗和菓子屋さんから継承したもなかアイスや、

ホットドッグ、レモネードなどおいしいメニューが目白押し。

お近くにお寄りの際には、ぜひ足を運んでみてください。

仙六屋

〒143-0015 東京都大田区大森西6丁目16−18

月曜定休

営業時間:11:00~18:00

Web:http://senrokuya.jp/

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